至福の読書・魅惑の世界旅行

読書の海・世界の空 コロナ影響下 失業中の添乗員による本・海外旅行案内

パリ「オペラ座の怪人」ガストン・ルルー

・…読者諸氏には、こう申し上げておこう。いつかオペラ座を訪れたなら、つまらないガイドなどつけずにゆっくり見てまわったほうがいいと。五番ボックス席に入って、前桟敷との境にある太い円柱を叩いてみたまえ。ステッキを使っても、拳でもいい。すると頭の高さくらいまで、円柱は虚ろに響くはずだ!さすればそこに怪人の声が潜んでいたからといって、なんの不思議もないだろう。

・そこでわたしは申し上げたい。オペラ座の怪人の遺骨を収めるにふさわしい場所は、国立音楽アカデミーの資料室をおいてほかにはないと。それは特別な骨なのだから。

   ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

正直「オペラ座の怪人」は原作本より、ミュージカル「オペラ座の怪人」の方が断然 面白い。実際 ミュージカルの方が広く世間に知られていることが、その証左であろう。1986年にロンドンで初演開始以来 2010年には1万回を超え(現在公演終了)ブロードウェイでも同様に2012年に1万回の公演を超え 現在でもロングランヒットを続けている。劇団四季のHPによると、これまでに世界40カ国180都市で公演が行われ、累計1億4500万人の観客を動員しているそうだ。仕事柄 ロンドンとニューヨークでは色々なミュージカルを観た。シカゴ・マンマ ミーア・キャッツ・ライオンキング・レ ミゼラブル・ウィキッド etc… オペラ座の怪人は別格だ、突出して良い。ドラマチックなストーリーを、良い楽曲と素晴らしい舞台セットが支えている。2度3度観ても楽しめる希少なミュージカルだ。…劇団四季ではなくブロードウェイで観る場合はセリフが英語の為、原作を読んでおくとより楽しめることうけあいだ。

    <パリの夜のお楽しみ>

前述のとおりミュージカルのメッカはロンドンとニューヨークだ。ではパリでミュージカルにかわる大人が楽しめる夜のエンターテイメントは?というと、それはキャバレーだ。リドとムーランルージュがキャバレー劇場の双璧である。歌と踊りはもちろんのことサーカス、手品etc… 内容的に言葉の壁がないという点においてミュージカルより万人向けと言えるだろう。共に素晴らしく甲乙つけがたいが、ムーランルージュはフレンチカンカン発祥の劇場と言われ、リドは多少アメリカンナイズされた内容で派手な印象のせいか、リドの方が良かったという感想が多いように思う。治安・立地面ではリドはシャンゼリゼムーランルージュは歓楽街にあり、治安的にはリドの方が良いのだが、終了時間が遅い為 宿泊ホテルに近い劇場の方が便利である。いずれも夜9時頃から幕間のない1時間30-40分のショーで終了は23時前後となる。食事付きかドリンク付きが選べ、食事付きが前方、ドリンク付きが後方席となる。尚 食事をしながらショーを観るのではなく、1時間位前から食事をスタートし、終わる頃にショーが始まる。服装はスマートカジュアルが好ましいが、パリに限らず近年世界各国から多種多様な人種が訪れるようになって以来、こうしたドレスコードも形骸化しつつある。

こうしたエンターテイメントに余り興味がないという方にはセーヌ川クルーズがオススメだ。バトー・パリジャンとバトー・ムッシュ、2つのの船会社がその双璧だ。バトー・パリジャンはエッフェル塔のふもと、バトー・ムッシュはアルマ橋のふもとから運行しており 内容は大差ない為 これも宿泊ホテルに近い方が便利と思われる。遊覧のみは予約不要、ディナークルーズ等食事付きは予約必須。尚 パリは予想以上に高緯度にあるので、夏至前後の日没は21時頃、暗くなるのは22時頃だ。従って日本の感覚で19時頃に乗船してもイルミネーションやシャンパン or ダイアモンド フラッシュと呼ばれるエッフェル塔の点滅は見ることができないので念の為(ディナークルーズであれば終わる頃には暗くなるので可能)。

とにかく 夜キャバレー(もしくはディナークルーズ)に出かける日の日中は、余り欲張らないスケジュールで行動することをオススメする。肝心のショーの途中で居眠りしている東洋人は決して珍しくはないのだ(時差を考えると眠くなるのは致し方ない面もある)こんな日は実はオペラ座の内部見学はもってこいなのだ。ルーブル美術館のように人混みで不要に疲れる心配もないし、こじんまりしているから歩き疲れる心配もない。もちろん時間もかからない。そしてシャガールの天井画はじめ絢爛豪華な内装は一見の価値がある。因みに内部見学入口はオペラ座正面ではなく、正面向かって左手後方なので念の為。

見学後はオペラ座のすぐ裏にあるギャラリー・ラ ファイエットとその先のプランタンデパートを覗くのもよい。そして各デパートの屋上に上れば、思いのほか眺めも悪くない。エッフェル塔の行列に並ぶ時間の余裕がない方は、デパートの屋上へどうぞ、他と違って無料だし。

「華の都パリ」とはよく言ったものだと思う。パリの見どころやオススメスポットはまだまだこんなものではない、書き出したらきりがない。。。