東南アジア
・…かたちが変わるんだよ、思い出ってやつは…想像力ってのは実に不思議なもんだ!おれのうちにあって、おれとは縁がない…想像力…そいつがいつも穴埋めをする… ・記憶ってものはな、…一家の神聖な地下の埋葬所みたいなもんだよ…生きている者よりももっとたく…
・一つの生をあまりにも純粋に究極的に生きようとすると、人はおのずから、別の生の存在の予感に到達するのではなかろうか。 ・…時間と空間とを同時に見ていた。…この世界の裂け目を凝視していたのである。 ・時間とは輪廻の生存そのものである。 ・この世に…
・…古き書物は、それを正しく理解したときはには、短剣と同じように強いものです。私はそれから一つのことを学びましたーーそれは私が、…結局は、何ものでもないということです。私は鎖の一環、橋全体のうちのたった一本の竹棹にすぎません。私は偉大なる先…
小島のしげみの奥から、影の一滴が無限の闇を広げて、夜がはじまる。 大小の珊瑚屑は、波といっしょにくずれる。しゃらしゃらと、たよりない音をたてて鳴る南方十字星が、こわれおちそうになって、きらめいている。 海と、陸とで、生命がうちあったり、こわ…