・ジプシーの目は狼の目 スペインの諺 ・水音をたてて流れている川には、水か小石が必ずある ジプシーの諺 ・セビリアへ行かれたことがおありなら、城塞のはずれのグアダルキヴィールの岸に立つ、あの大きな建物をごらんになったに違いありません。私にはい…

・…たくましい天性は、こんな災難さえも、やがて福に転じてしまったのだった。…こんな不運に見まわれたものの、それは結局、運命によって仕組まれたぼくの幸福と利益のおぜん立てのようだった。 ・…神の摂理でまったく不思議なふうに助かったことが何度もあ…

・エスキモーたちがこのアラスカに住むようになって、何千年になるのか何万年になるのか彼は知らなかったが、その気も遠くなるような長い年月の間に彼等は、暗夜の航法を体験として取得し、彼等の血の中に伝えたのだと思った。それは渡り鳥が、天体の動きと…

「暗い色の紋地に、赤い文字A」 ・…利己心がはたらく時は別として、人間性というものは憎むよりは愛する方を選ぶものだ。憎しみは、もとの敵意をたえず新たにかき立ててその変化を妨げなければ、除々にそっと愛情へと変りさえするものだ。 …憎しみと愛とは本…

・…「文明」にどっぷりと浸かった僕たちにとって、深い森での暮らしは快適とは程遠いものでもあった。最初は川の水さえ飲めなかった。…空腹の余り、動く度に立ちくらみがした。仕方なく休んでいると、屋根から巨大な虫が落ちてきた。…蛾、蠍、ゴキブリ、、コ…

・地獄には地獄の価値あり。物を掘り下げて追及していく。この本能のかげに何かがあるとすれば、あとで厳密にそれを追求していくのが有益だろう。 ・…「自然の妙」が、なにか不感性の糸で織った袋をからだにかぶせ、それがなければ接触によって害をこうむる…