至福の読書・魅惑の世界旅行

読書の海・世界の空  海外添乗歴30年  元添乗員の読書&海外旅行案内

2023-01-01から1年間の記事一覧

ロッキー山脈・北米「レヴェナント蘇えりし者」マイケル・パンク

・人の成すことには潮時というものがある。うまく潮時に乗りさえすれば、運が開ける… ・…じっとしていては幸運などやって来ない。翌朝になったら、また前に向かって這いはじめよう。もし幸運が向こうからやって来ないなら、自分で幸運を作り出すために全力を…

ゴットランド島・スウェーデン「風配図」皆川博子

・「動けるようになるまでは、俺が養ってやる」と応じた。「それが慈悲というものだ」<慈悲>義父のその尊大な言葉が、押し込めていたヘルガの感情を炸裂させたのだ。 ・誰にも隷属せず、海は、在る。ただ、在る。風に支配されると言えるだろうか。烈風によ…

バンコク「暁の寺」三島由紀夫

・一つの生をあまりにも純粋に究極的に生きようとすると、人はおのずから、別の生の存在の予感に到達するのではなかろうか。 ・…時間と空間とを同時に見ていた。…この世界の裂け目を凝視していたのである。 ・時間とは輪廻の生存そのものである。 ・この世に…

アイスランド「地底旅行」ヴェルヌ

・「時間のためさ!時間は、とりかえしがつかないほど速く過ぎるものだからな!」 ・「…書物というものは知識欲のさかんな人たちの目から遠く、鉄格子のかなたでかびくさくなってしまうものではなく、読者の目にふれて、ぼろぼろになるべきものと考えていま…

台湾「台湾を愛した日本人」八田與一の生涯

・…官位や地位のために仕事をするでのではなく、人間のためになる仕事をし、後の世の人々に多くの恩恵をもたらすような仕事をしてみたい。もしそれができれば、一介の技術屋で終わっても十分だと思っていた。 ・問題は多くある。しかし、恐れていては何もで…

日本「ジュリーがいた」 島﨑今日子

「日本人男性はこうでなければならぬとするカチカチのこだわりに、…たったひとりでなぐりこみをかけた」(アートディレクター談) 「彼が作った『叫び』(という曲)そのものなんですね。歌で死にたい。歌で死にます。彼は、今もそのとおりに生きていると思…

ネパール「王とサーカス」米澤穂信

・確かに信念を持つ者は美しい。信じた道に殉じる者の生き方は凄みを帯びる。…信念を持つこととそれが正しいことの間には関係がない。 ・自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だ。 ・…彼の哲学が完成品である必要はないのです。…我々…

バリ島「バリ島物語」ヴィキイ・バウム

・…古き書物は、それを正しく理解したときはには、短剣と同じように強いものです。私はそれから一つのことを学びましたーーそれは私が、…結局は、何ものでもないということです。私は鎖の一環、橋全体のうちのたった一本の竹棹にすぎません。私は偉大なる先…

ハワイ 「ホノルル」サマセット・モーム

・かしこい旅行者は、空想だけで旅をする。…こうした旅こそは、炉辺に坐ったまま、いながらにしてできる最上の旅であろう。夢を壊されることだけは、まず絶対にないからである。 ・ヨーロッパからは、おそろしく遠いし、サンフランシスコからでも、長い長い…

アジア「マレー蘭印紀行」金子光晴

小島のしげみの奥から、影の一滴が無限の闇を広げて、夜がはじまる。 大小の珊瑚屑は、波といっしょにくずれる。しゃらしゃらと、たよりない音をたてて鳴る南方十字星が、こわれおちそうになって、きらめいている。 海と、陸とで、生命がうちあったり、こわ…

ニュージーランド「マンスフィールド短編集」

「人生は厭わしきもの 涙ー溜息 愛は移ろいゆくもの 人生は厭わしきもの そして…さようなら」 「ああ、人生よ、私を受け入れてほしい。-私を価値あるものとして欲しいー教えて欲しい。私は書いた。顔を上げた。庭の木の葉がざわめく。空は薄く青く、私は泣…

アントワープ「フランダースの犬」ヴィーダ

・パトラシエ(パトラッシュ)の胸に大きな愛が目ざめた。それは命あるかぎり一度もゆるがなかった。しかしパトラシエは犬なので、ただ、恩に深く感じていた。 ・‥犬はあまりの悲しさにそのそばに横たわって死んでしまいたかったが、子供が生きていて、自分…

バーデン・バーデン「賭博者」ドフトエフスキー

・真のジェントルマンは、たとえ自分の全財産をすってしまっても、動揺してはならないのだ。金銭なぞはそれほどジェントルマンシップより低いものであって、そんなものに頭を悩ます必要はほとんどないのである。 ・…いったんこの道に踏みこんだ者は、雪山を…

モニュメントバレー「アメリカ インディアンの書物よりも賢い言葉」エリコ・ロウ

・創世記はいまも続いている。 ・思考は、矢のように放たれたら、的を射る。注意しないと自分の放った矢で倒れることになる。 ・宗教はどれも神に帰る踏み石にすぎない。 ・人類が忘れたことを思い出すために祈れ。 ・神のへ道はいくつもある。 ・神の名は無…