至福の読書・魅惑の世界旅行

読書の海・世界の空  海外添乗歴30年  元添乗員の読書&海外旅行案内

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

京都・横浜「昭和・平成精神史」磯前順一

「大きな瞳が虚無を映し出す」とよく言われていた沢田さんに注目したのは、ただシラケていただけではなかったからです。シラケを超えていく情熱を、歌やお芝居を信じることで、シラケているものを一生懸命生きて越えていくというメッセージを、表現行為に向…

中国 「太陽の帝国」 J.G.バラード

・ジムを一番不安にさせていたのは、日本軍の怒りではなく、その辛抱強さだった。 ・…日本兵たちが崇敬の的であることに変わりはなかった。日本人の勇敢さとストイシズムがジムは好きだった。ジム自身は悲しさなど一度も感じたことはないのに、日本人の悲し…

フィンランド「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹

・道路の両側はおおむね森だった。国土全体が瑞々しく豊かな緑色で覆われているような印象があった。…大きな翼を持った鳥が、地上の獲物を探しながら風に乗ってゆっくりと空を漂っていた。 ・湖はまるで運河のように、うねりながら細長くどこまでも続いてい…

クルーズ・船旅「海の上のピアニスト」アレッサンドロ・バリッコ

・何かいい話を心の片隅にもっているかぎり、そして、それを語る相手がいるかぎり、人生まだまだ捨てたもんじゃない。 ・わたしたちは壊してしまったものの弁償が何ドルぐらいになるかを計算して、時を過ごしました。額が大きくなればなるほどおかしくなって…

モン・サンミッシェル 「ノストラダムス コード」竹本忠雄

・16世紀ヨーロッパのその時代は、「秘伝」などというものが「進歩」の名において切り捨てられようとする近代の夜明けでしたが、この時代潮流に逆らって生きることから一つの巨大な人生が始まったという点に、まず、興味が湧きます。 ・…自分のたどるべき方…