至福の読書・魅惑の世界旅行

読書の海・世界の空  海外添乗歴30年  元添乗員の読書&海外旅行案内

至福の読書 アンソロジー

・一冊の本は世界を動かす力をもっている。

  「本の話」岩波写真文庫

 

・宇宙(それを図書館と呼ぶ人びともいる)

  ホルヘ・ルイス・ボルヘス

 

・基礎は必ずや読書になければならない。一般的原理は書物から得られなければならないが、それは必ず実生活の検証を必要とする。会話では決して体系が得られない。

  ジョンソン博士の言葉

 

・君や誰かのすべての思考のために…言葉は造られてきたのである。

「わたし」というただひとつの言葉のなかに、何と歴史が幾重にもたたみ込まれていることだろう!…これらのことばは、過去のすべてがつくり上げた肉体である。

  ホイットマン

 

・もっとも高度な文明においても読書はやはり最大の喜びである。一度その満足を知った者は不幸の中でもその満足を得る。

  エマーソン

 

・熟慮を重ねることによってのみ、読まれたものは、真に読者のものとなる。食物は食べることによってではなく、消化によって我々を養うのである。

  ショーペンハウエル

 

・本を読んでいて、むつかしいところにぶつかっても、私はやきもきしたりはしない。一突き、二突き、あとはほっておく。

  モンテーニュ

 

・書物はそれが書かれたとおなじくじっくりと慎みぶかく読まれなければならない。

  ソーロー

 

・書物は人の一生で所有できる最良の財産であり、人に不滅の魂をもたらす。

  ヴァルラーム・シャラーモフ

 

・地図帳のページをめくっていくと、世界の空を飛んでいるような気がしてくる。…広大な海や森や山脈や川や街、すべての国をそんな小さなスペースに詰め込むのは、本にしかできない奇跡だ。

 地球上のすべての国が、どれだけ柵を作ろうと構わない。だって、本を開けばどんな柵も飛び越えられるのだから。…本を開けることは汽車に乗ってバケーションに出かけるようなもの。

 小説は、人生に足りないものを与えてくれる。

  アントニオ・G・イトゥルベ著「アウシュビッツの図書係」

 

 ・読書には生活のテンポをゆるやかにさせる作用があります。テレビや映画、ネットの動画などで素早く感動が得られる現代において、テンポを遅くすることは結構難しいことかもしれません。

  ドミニック・ローホー

 

・古くても、シェイクスピアは英語の古典です。なにごとも、まず古いものから読んでいくとうのが順序です。

  野口英世渡辺淳一著「遠き落日」)

 

・読書ということは、人間の創造したもっとも価値の高い快楽の一つだと思う。

  山本周五郎

 

 ・(古本屋は)本たちの墓場だという。けれども、そこへ足を踏みいれれば、なん十年来、棚に立ちつくしていた本たちは、いっせいに振りむいて、まだ死んでいない表情を示すのである。そして私を無縁の書生と知れば、再びもとに復するけれど、たまには互いに求めていたとわかって、百年の歳月をとびこえることもあるのである。 

 本は買い与えることはできても読ませることはできない。あのおびただしい本のなかから一冊が選ばれるのは、「縁」 による。

  山本夏彦

 

・読書が、われわれの人生に対する意義は、一口で言ったら結局、「心の食物」 という言葉がもっともよく当たると思うのです。

 真の良書というものは、これを読むものに対して、その人の人生行路を決定していく意義を持つ。

  森信三

 

  ・読書は究極のリサイクルです。…すぐれた思想というのは、読書によって繰り返してリサイクルされていく。ところが20世紀はオリジナリティを新しさに求め続けた あまり、リサイクル出来ないものばかり生んだ。リサイクルしても価値が減らないもの、読んでリサイクルできる本が古典です。

 読書というのは、振り子です。たとえ古い本であっても、過去に、過ぎた時代のほうに深く振れたぶんだけ、未来に深く振れてゆくのが、読書のちからです。…新しい本だけでなく、いまさらに古い本も読もうと、あえて言挙げするゆえんです。

 読書は読書という習慣です。「習慣は、単に状態であるのみにならず、素質であり能力である」。…習慣論(著ラヴェッソン)

 本を読むことをカッコイイと感じる美意識が日々に育ってはじめて、読書は社会を支えるちからを持ちます。読書には社会の体温計みたいなところがあって、社会に元気のないときは、必ず読書のちからが社会的に落ちている。人を、社会を元気づける不思議なちからが、読書というささやかな行為には潜んでいます。 

 本の世界が貧しいとき、人心は衰弱します。 

 本は、道具とはちがう。古本であれ新本であれ、もしその本を読んでいないかぎりは、その本はつねに「新しい本」なのである。

 言葉は国家より大きい。

  長田弘

 

・…本の読み方というのは、人の生き方と同じである。この世界にひとつとして同じ人の生き方はなく、ひとつとして同じ本の読み方はない。それはある意味では孤独な厳しい作業でもある ~ 生きることも、読むことも。…気に入った本について、思いを同じくする誰かと心ゆくまで語り合えることは、人生のもっとも大きな喜びのひとつである。

  村上春樹

 

・秀れた文学は常に、永遠に向かう憧れを描いている。…現代社会は憧れを失いつつあるように思う。その兆しの一つが文学の衰退ではないだろうか。

 今の世の中、江戸時代などに比べたら簡単に本が手に入ります。けれども、簡単に手に入るようになればなるほど、人は本を読まなくなりました。やはり、人間の生命は辛苦を必要としている一つの証左かもしれません。本が手に入らなかった時代、多くの青年が飯も食わずに本を読んでいたのです。 

 読書とは精神を養うものと言っている。活字を読むことが読書ではないのだ。読書とは、心の共感を求めるものに他ならない。…真の読書は、受け継ぐものを読まなければならない。精神ということである。

 …本を読まないという人を私は何人も知っていますが、ものすごく傲慢です。読む必要がないわけですから。「自分は本を読む必要がない」ということは「自分は頭がいいから」「自分の見方、考え方は正しいから」と言っているようなものです。そして、そういうことにさえ気付かないほど傲慢な人間に現代人はなっているのです。

  執行草舟 

 

・…読書だけが子供を成長させるのですが、それはどういう意味かというと、何事も信念が大切ということなのです。読書をしなければ、知識は増えても永遠に子供のままだということになる。だから読書ということは、苦悩させる、思索させるという意味です。読書だけが人間をとして子供を成長させるということを信念として持って頂きたい。…魂の未熟な子供が大人になったのが、今の現代人だと思うわけです。だからこれは何をやっても通じない。軽薄短小な生き方とTVなどを中心とした限りない堕ち方です。…魂が未熟なまま大人になってしまったので、ああいうものしか面白いと思わない。今TVでやっている番組などは…昔の子供の悪ふざけです。…魂が未熟なら本当に面白いので、どうしようもない。…日本というのは幼稚なことを悪いことだと思っていない社会なので、…読書をして幼稚な状態から抜けることを目指してほしいのです。

  執行草舟著「日本の美学Ⅰ」

 

・人間の本当の食糧は、書物である。…我々にも魂があり、書物にも魂がある。その魂の真の触れ合いが読書に他ならない。字を読むことは、読書ではない。

 …真の生命力とは、精神を育むことでしか得られない。…我々は、真の生命力が、秀れた書物からしか与えられないことを知らなければならない。

 …肉体を維持するのに必要な物質が普通の食物であるならば、精神にとっての食物は本なのである。

 …人間だけが、不幸に耐え、それを生きる力に変換することが出来る。不幸に弱い人間は、読書が足りないのだ。

  執行草舟著「憧れの思想」