モニュメントバレー「アメリカ インディアンの書物よりも賢い言葉」エリコ・ロウ
・創世記はいまも続いている。
・思考は、矢のように放たれたら、的を射る。注意しないと自分の放った矢で倒れることになる。
・宗教はどれも神に帰る踏み石にすぎない。
・人類が忘れたことを思い出すために祈れ。
・神のへ道はいくつもある。
・神の名は無意味。世界にとって本当の神は愛なのだ。
・感謝する理由がみつからなければ落度はあなた自身にある。
・生きている間によく生きろ。
・人に与え、与えられるのが人生。
・蛙は棲む池を飲み尽くしはしない。
・死は存在しない。生きる世界が変わるだけだ。
・死により私は生まれる。
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ネイティブ アメリカンの格言、人生訓にハッとさせられる。中には「答えがないのも答えのひとつ」なんていう禅問答みたいなものもある。
「…わたしを惹き引けたのは、…インディアン(当時は、ネイティブ・アメリカンとは言わなかった)に関する部分だった。インディアンの子供たちが大自然の中で生きてゆく。野生の大地と向き合いながら様々な発見をし、生活の技術を身につけていく。…人は本来そうあるべきだと語ってくれるものであった」
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米国西海岸ラスベガスを起点にグランドキャニオンやモニュメントバレーを車で廻るコースがなかなか楽しい。ゴールデンサークルもしくはグランドサークルと呼ばれる人気の観光ルートである。
西部劇の舞台で有名な赤土のモニュメントバレーはナバホ族の居留地にあり、ナバホタコと呼ばれるナバホ風タコ(ス)が食べられる。具は文字通りメキシコ料理のタコス風で、基本は大量の細切りレタスと角切りのトマト。土台は一見するとピザのように丸く平べったい、しかし焼かずに揚げたフライブレッドである。油ぎってギトギトした感じは思いの外なく、具に野菜が多いせいか意外とさっぱり食べられる。そうは言っても凄く美味しくてもう一度食べたいかと言えば、そんなことはない。だがここでしか食べられないし、話のタネに一度お試しあれ。一緒にビールといきたいところだが、残念ながら居住区内での飲酒及びアルコールの提供は禁止です。
「ニューメキシコ、アリゾナ、ユタなどの各州。そして、メキシコの北部。これらは皆、同じ一つの偉大な空の下にある。本来は、そこには国や州の国境線などというケチなものは存在しなかった。…そこは柔らかい線に包まれた土地の起伏の上で、枯れ草が風に揺れ、大海原のようゆったり波打つ場所である。鳥や獣や虫たちの命のざわめきが、風に乗ってささやきかけてくる。人間の息使いすら、聞こえてくる場所である」
西江雅之「異郷日記」
やっぱり、アメリカは広かった。